インターネットの普及により、採用活動にWeb面接を導入する企業が増えています。しかし、従来の対面面接を続けるか、Web面接に切り替えるかを悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
今回は、Web面接のメリット・デメリットを検討し、実際の求職者の声を交えて、企業がWeb面接を導入する際の事前準備や注意点をまとめました。
1. Web面接(オンライン面接)とは?
Web面接は、パソコンやスマートフォン、タブレット端末を利用してインターネットを介して行う面接のことです。オンライン面接やリモート面接とも呼ばれます。
Web面接を行うためには、ビデオ通話ができるツールを用意する必要があります。代表的なツールは以下の通りです。
【Web面接で使用されるツール】
・Zoom
・Skype
・Google Meet
・Microsoft Teams
・Webex
2. Web面接とオフライン面接の比較
Web面接とオフライン面接の違いを比較してみましょう。
Web面接(オンライン) | オフライン面接(対面) | |
面接の対象者 | 全国 | 原則、地域が近隣に限定 |
交通費 | 発生しない | 発生 |
移動時間 | 発生しない | 発生 |
会場の手配 | 不要 | 必要 |
録画 | ツールによっては可能 | できない |
コミュニケーション | 不便さを感じる可能性あり ※ただし慣れれば問題なし |
とりやすい |
スキル | 面接スキルに加えて ツールの操作を学ぶ必要あり |
面接スキルのみ |
上記の比較からもわかるように、Web面接はオフライン面接に比べて参加のハードルが低く、求職者が全国どこにいても面接が可能です。コミュニケーションやスキル面についても、オンラインツールの普及により、特に問題は少なくなっています。
Web面接に抵抗がある場合でも、最初の段階で広く候補者と接触し、最終段階でオフライン面接を実施することで、交通費や移動時間、会場確保などのコストを削減できます。
3. Web面接が導入された背景
Web面接の導入が進んだ背景には、政府の働き方改革によるテレワークの普及や、新型コロナウイルス感染リスク対策があります。社会のデジタル化が進む中で、採用活動も非対面のオンライン化が一般的となりました。
また、近年の売り手市場においては、企業が求職者に合わせる必要性が高まっており、求職者にとってもWeb面接が一般的な選択肢となっています。
転職サービス「doda」の調査によると、2021年7月時点で「Web面接可」とする求人案件は63.8%に上り、多くの企業がWeb面接を採用しています。求職者に対するアンケートでも、「どちらでもよい」という回答が最も多く、Web面接に対する抵抗感が減少していることがわかります。
(参考:doda「面接はオンラインより対面のほうが有利?メリット・デメリットは?Web面接の実態調査」)
4. Web面接を導入するメリット
Web面接には多くのメリットがあります。
4-1. 応募者の増加と優秀な人材との出会い
インターネットがあれば、求職者は全国どこにいても面接を受けられます。これにより、応募者の数が増え、優秀な人材に出会える確率が高まります。
4-2. 選考辞退防止
Web面接は日程調整がしやすいため、応募者との早期接触が可能です。これにより、選考辞退を防ぎ、応募者の不安を解消できます。
4-3. 採用効率の向上とコスト削減
Web面接では、面接会場の設営や移動時間が不要になり、人事担当者の業務負担が軽減されます。これにより、採用活動の効率化とコスト削減が可能です。
4-4. 面接の改善と面接官の育成
Web面接は録画が可能で、面接のやりとりを後から確認できます。これにより、面接官のスキル向上や面接の改善が図れます。
5. Web面接を導入するデメリットと注意点
Web面接にはデメリットもあります。
5-1. 通信トラブルのリスク
インターネットの通信トラブルやパソコンの不具合が発生する可能性があります。面接担当者には、トラブルに対応できるような研修を行う必要があります。
5-2. オンライン特有のコミュニケーション
Web面接では、対面よりもコミュニケーションが難しい場合があります。話し方やタイミングに注意し、誤解を生まないように心がけることが重要です。
5-3. 職場の雰囲気が伝わりにくい
Web面接では職場の雰囲気や環境を伝えにくいため、工夫が必要です。できるだけ職場の雰囲気を伝えられるように工夫しましょう。
Web面接は多くのメリットを持ち、採用活動の効率化やコスト削減に貢献します。デメリットにも注意しつつ、Web面接の導入を検討してみてはいかがでしょうか。