アルムナイ制度とは？退職者を再雇用するための5つの重要ポイント

労働人口が減少し、人材の確保がますます難しくなっている現在、「アルムナイ制度」に注目が集まっています。

「アルムナイ制度」という言葉は、まだ馴染みのない方も多いかもしれません。

本記事では、「アルムナイ制度」とは何か、そしてその効果的な活用方法について詳しく解説していきます。

1.アルムナイ制度とは？退職者を再雇用するための5つのポイント

「アルムナイ」とは「卒業生・同窓生」という意味で、ここから派生して企業の退職者やOB・OGを指します。

退職者を再雇用するなど、退職者も貴重な人的資源とみなし活用すること全般を「アルムナイ制度」といいます。

アルムナイ制度を企業が効果的に活用するためのポイントは5つあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

アルムナイ制度を活用するためには、退職後も退職者との関係を維持する必要があります。

関係維持の手段は複数あります。個人的にSNSでつながる方法、定期的にメールを配信する方法、コミュニティサイトを作成し登録してもらう方法などが考えられます。

退職者とのこれまでの関係性を考慮し、最も負担なく定期的にコミュニケーションを取ることができる手段を選ぶことが重要です。

退職時には忘れずにアルムナイ制度の存在を伝えましょう。

退職後に「戻りたい」と思っても、退職者側からは申し出にくいものです。アルムナイ制度について説明し、再雇用に積極的であることを伝えることで、退職者が転職を検討する際に「出戻り」も選択肢の一つとして考えられるようになります。

アルムナイ制度を活用する上で、退職者が会社に対して良い印象を持っていることは重要です。

悪い印象しかない会社に戻りたいと考える人はいません。退職時に何かしらの不満を抱いている可能性が高く、そのままにしておくと悪い印象だけが残ってしまいます。

今後の良好な関係性を保つためにも、退職者を快く送り出すことを心がけましょう。

退職者との関係性を維持する手段として、定期的に連絡を取り、近況を把握することが重要です。

社内で募集しているポジションがある場合には、再雇用の提案も合わせて行うと良いでしょう。一度断られたからといって諦めず、状況が変われば魅力的に感じる可能性もありますので、再度の告知を忘れずに行いましょう。

退職者を再雇用する際、既存社員から不安や反発の声が上がる可能性があります。特に初めての再雇用では、その可能性が高いでしょう。

「一度退職した人を再雇用してもまたすぐ辞めるのではないか」「不満があって辞めたのになぜ戻ってくるのか」といった不快感を示す社員がいてもおかしくありません。

既存社員が納得し、退職者の再雇用を受け入れやすいように、なぜ再雇用を推奨するのか、再雇用のメリットなどをきちんと説明しましょう。再雇用した社員が現場で活躍することで、既存社員の不安や反発は次第になくなっていくはずです。

日本の労働人口が減少する中で、今後も採用難が続くと予想されます。

「一つの会社に長く勤める」という終身雇用の考え方も収束しつつあり、人材の流動性が高まっています。

従業員満足度を高め退職者を減らすことは重要ですが、退職者を完全にゼロにすることは不可能です。退職者も貴重な人的資源とみなし、再雇用の可能性を維持することが重要です。