ダイレクトリクルーティングとは何か?事例、メリット・デメリット・成功のポイントを徹底解説

採用手法が多様化する中途採用において、ダイレクトリクルーティングという採用手法が広まってきています。
なぜダイレクトリクルーティングが選ばれているのでしょうか。本記事では中途採用におけるダイレクトリクルーティングのメリットとデメリットについて解説します。

ダイレクトリクルーティングの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

1. ダイレクトリクルーティングとは?

 

ダイレクトリクルーティングは、企業が求める人材に直接アプローチする採用手法のことです。アメリカで一般的な「ダイレクトソーシング」と同じ意味で使われています。

従来の求人メディアや人材紹介会社に依頼して待つ採用手法とは異なり、企業が主体的に人材を探して採用する「攻め」の採用と言われています。

 

1-1. ダイレクトリクルーティングが注目される背景

少子高齢化による労働人口の減少や働き方の多様化などにより、人材の確保が難しくなり、競争が激化しています。

優秀な人材を採用するためには、転職を検討している層だけでなく、転職潜在層にもアプローチする必要があります。そのため、ダイレクトリクルーティングが注目されています。

現在の売り手市場では、求人メディアへの掲載だけでは応募が集まりにくく、企業はさまざまな採用手法の中から「攻め」の採用へシフトしています。最近では新卒採用にもダイレクトリクルーティングを活用する企業が増えています。

 

1-2. ダイレクトリクルーティングと他の採用手法の違い

ダイレクトリクルーティングは、求人媒体や人材紹介よりも企業が求める人材に直接アプローチできます。

従来の求職者からの応募を待つ採用手法とは異なり、理想の人材を探すプロセスから始まります。転職サービス、人材データベース、SNS、就職イベントなど、さまざまな手段を利用します。

以下、それぞれの特徴の比較表となります。

 

  ダイレクト
リクルーティング
求人媒体 人材紹介
マッチング度
母集団
費用
工数

 

1-3. 求人媒体の特徴

転職求人媒体に求人情報を掲載し、求職者からの応募を集める方法です。

求人媒体はダイレクトリクルーティングよりも母集団を形成しやすい一方、不特定多数をターゲットにするため、マッチング精度は低い傾向があります。

大人数の採用やエリア限定の求人募集には求人媒体が適していますが、ピンポイントで採用したい場合はダイレクトリクルーティングがおすすめです。

 

1-4. 人材紹介の特徴

人材紹介会社から紹介を受けて採用する方法です。

人材紹介会社が自社に合う人材を探してくれるため、ダイレクトリクルーティング同様、マッチング精度は高い傾向があります。

しかし、成功報酬型が一般的で、採用した人材の年収の35~40%が費用相場となり、他の採用手法よりも割高になる可能性があります。

 

1-5. ダイレクトリクルーティングが向いている企業

専門性の高い職種の求人募集をしたい企業や、自社の採用力を高めたい企業に向いています。

エンジニアやデザイナーなど、専門性の高いスキルを持つ人材は転職市場に少なく、従来の採用手法では出会えないケースが多いです。

ダイレクトリクルーティングでは、転職顕在層から転職潜在層まで、自社の求める人材に直接アプローチできます。また、採用の全工程を自社で行うため、採用ノウハウを蓄積したい企業にも適しています。

 

1-6. ダイレクトリクルーティングの実施方法

ダイレクトリクルーティングの一般的な流れは以下の通りです。

①データベース上で求める人材を探す
②対象者へスカウトメールを送る
③対象者がスカウトを承諾する
④選考や面談を行い、採用合否を決める

ダイレクトリクルーティングサービスに登録した人材に企業がアプローチし、直接やり取りします。

 

2. ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリット

 

中途採用でダイレクトリクルーティングを行うメリット・デメリットは以下の通りです。

 

【メリット】
①欲しい人材に直接アプローチができる
②採用ターゲットの設定が適切かどうかの判断材料が得られる
③自社に採用ノウハウを蓄積できる

 

【デメリット】
①業務負担が増える
②採用成功まで時間がかかる可能性がある

 

 

3. ダイレクトリクルーティングにかかる費用

 

ダイレクトリクルーティングの費用は「先行投資型」と「成果報酬型」の2種類に分かれます。

 

3-1. ダイレクトリクルーティングサービスの費用相場

一般的な費用相場は以下の通りです。

 

料金体系 費用相場
先行投資型 80~330万円(3カ月~1年)
成功報酬型 報酬額 新卒採用:30~50万円/人
中途採用:年収の15%程度
初期費用 15~30万円

 

成功報酬型では、年収700万円の求職者を1人採用する場合、初期費用15万円を含めて総額120万円程度かかります。

先行投資型では、3カ月以内に1人採用できれば80万円程度、2人採用できれば1人あたり40万円になります。しかし、1人も採用できなかった場合、80万円が費用損失になります。

 

4. ダイレクトリクルーティングの成功ポイント

 

ダイレクトリクルーティングを成功させるためのポイントを以下に紹介します。

 

4-1. 採用課題を明確にする

自社の採用課題を明確にし、その課題解決にダイレクトリクルーティングが適しているか確認しましょう。

 

4-2. 専任者を決定する

スカウトする人材の選定やスカウトメールの作成・送信など、担当者の業務負担が増えるため、専任者を決めることが重要です。

 

4-3. 全社の協力を仰ぐ

経営者を含む全社で協力し、自社の熱意を求職者に伝えることが重要です。

 

4-4. 要件を細かく設定しすぎない

要件を細かく設定しすぎると、優秀な人材を取り逃がす可能性があるため、優先順位をつけて最低限に留めましょう。

 

4-5. 長期的な視野を持つ

転職潜在層もターゲットとするため、長期的な視野を持ち、信頼関係の構築から始めましょう。

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